2015年6月1日(月)
平成27年度 救助隊消防長査閲が実施されました。
平成27年5月27日(水)、双葉消防本部楢葉分署において救助隊の消防長査閲が実施されました。
平成27年7月8日に福島県消防学校で開催されます第38回福島県消防救助技術大会にむけて連日訓練を実施しております。査閲種目は、ロープブリッチ渡過3人、ほふく救出2チーム、ロープブリッチ救出1チーム、引揚救助1チームです。
消防長事務取扱であります松本幸英楢葉町長に査閲後講評を頂きました。
ロープブリッジ渡過
ロープブリッジ救出
ほふく救出
引揚救助
消防長講評並びに訓示
第38回福島県消防救助技術大会に係る消防長査閲の講評並びに職員訓辞
ただいまは、第38回の福島県消防救助技術大会参加に係る消防長査閲と言うことで、それぞれ4種目、7チームの演技を拝見させていただきました。
いずれも、消防職員ならではの卓越した身体能力と、鍛錬された技術力、更には強固なチームワークを拝見し、改めて心強さを感じるとともに、その技術力を更に磨き上げて、双葉郡民に安全・安心を与えていただきますようお願いする次第であります。
側聞するところによると、昨年は引き揚げチームが第一位の栄冠に輝き、東北大会への出場を果たしたと言うことですので、今年は更に飛躍し、是非とも全国大会に駒を進められるよう、選手の皆さんには、自身の体調管理を万全にして、より一層準備に励んでいただきたいと思います。
さて、東日本大震災並びに東京電力福島第一原子力発電所事故から五年目を迎え、各被災町村は、懸命に復興へ向けた取り組みを進めているところですが、山積する課題は複雑かつ多様化しています。
こうした中、震災直後からこの地に留まり、日夜、厳寒、酷暑の区別なく、身命を賭して地域住民の生命・財産を守らなければならない重大な責任を持ちながら、常に縁の下の力持ちとして、恵まれることの少ない立場にある皆さんでありますが、必死に故郷を守り続けてきたその献身的な活動は、双葉郡民にとっての誇りであります。そのことを常に意識し、職務を遂行していただきたいと思います。
現在、管内の消防を取り巻く状況は非常に厳しい状況となっております。地域住民が不在により、事故や火災等の発見、通報の遅れが懸念され、一度火災が発生しますと、迅速かつ適切な対応がとれず大規模化するおそれもあり、より一層の防火、防災対応策が必要とされています。
また、救急事象についても、搬送する医療機関の体制や多数傷病者事故対応など問題が多様化しており、当組織だけで完結することは難しく、より広域的な関係機関との連携強化が求められています。
一方で、労務環境的には浪江・富岡の両消防署の庁舎が使用出来ないことによる訓練や執務環境の確保、全署員での対応を強いられる災害時の待機場所、そして職員の退職に伴う資格の充足や中長期的な職員の育成等、様々な課題があるのも承知しています。
ここは職員皆さんが一致団結し、大和田次長を中心として1つ1つの課題を乗り越えていただくようお願い申し上げます。私も消防長事務取扱という立場で、お手伝いして行くことをお約束いたします。
結びに、双葉地方の消防活動は、地域の復興のスピードに比例して、より高度な対応と技術が求められます。今後、皆さまに課せられる任務と責任は一層高まることが想定されますが、強靭な肉体と崇高な精神を兼ね備え、強固な消防人としてこの難局を乗り切っていただきますようお願いするとともに、職員皆さんのご健勝を祈念いたしまして、消防長査閲における講評並びに就任訓辞とさせていただきます。
平成27年5月27日 双葉地方広域市町村圏組合消防長事務取扱 松本 幸英