2016年8月16日(火)
平成28年8月8日(月)、青木信之 総務省消防庁長官がお見えになりました。
総務省消防庁長官の被災地視察は、原発災害により避難指示区域に指定されている地域の消防防災体制の現状を視察し、地元消防本部における消防防災体制を支援することに併せ、厳しい環境下で長期間にわたり、原発事故災害対応を継続している地元消防本部職員を激励することを目的とし実施されたものです。
消防庁長官がお見えになるにあたり、歓迎の意を込めて全職員でお出迎えいたしました。
視察前会議の様子です。会議では、震災以降の活動概要と今後の対策について消防長が説明をいたしました。
【会議出席者】
消防庁長官、消防庁消防救急課 課長補佐、福島県危機管理部 消防保安課長、福島県危機管理部 主任主査、当組合管理者、副管理者、消防厚生常任委員会委員長、副委員長、当組合事務局長及び当消防本部職員。
高放射線環境下(帰還困難区域)における低所からの救助訓練の様子です。低所にいる要救助者に隊員2名が降下してアプローチし要救助者を担架に固定、上部の隊員2名がロープで引揚げて救出します。
要救助者、隊員の被ばくを最小限にするべく、放射線防護はもとより、迅速且つ確実な対応が求められる訓練です。
大量遠距離送水システムによる放水訓練の様子です。CAFS(圧縮空気泡消火装置)での泡消火及び水消火両方で放水することにより、効果的な消火が可能になります。
ドローンで大量遠距離送水システムによる放水訓練を上空から撮影し、映像を確認している様子です。避難指示区域での人が近づくことが困難な場所の確認や、上空から放射線量の確認が可能になるため、非常に有効な手段となり、現在導入を検討しております。
消防庁長官より、激励・訓示をいただきました。
いただいた激励のお言葉を掲載いたします。
◇◇青木長官激励の言葉◇◇
6月の末に消防庁長官に就任しました青木でございます。できる限り早く、この双葉地域に伺いたいと思っておりました。本日は、皆さんの一糸乱れぬ訓練を拝見させていただきました。本当に心強く思いました。
この双葉地域の礎は、皆様方の活動であります。福島の復興の基盤を作るのも皆様方でございます。引き続きよろしくお願いしたいと思います。とは申しましても、それぞれ大変な御苦労があろうかと思います。
東日本大震災以来5年間活動を続けておられる方々、あるいは、この地に協力しようと思いおいでになった方々、それぞれに御苦労があると思います。ご自身が避難をされて、家族と別れ別れになっても活動いただいている方もあろうと思います。
我々としてもできる限りの協力をさせていただきたいと考えておりますが、消防署所を含めた基盤も不十分、そうした中で皆様方に活動いただいている訳でございます。線量が少しずつ低くなってきたとは言え、まだまだ厳しい状況にあります。消防団の活動も事実上休止しているという中で、皆様方への負担は大変重いと思いますが、是非しっかり頑張っていただきたいと思っております。
この地域の復興を何とかして支えていかなければなりません。時間はかかるかもしれません。しかし、この地域が安全であると、そのことを確保していくことが極めて重要であります。
本日、常磐自動車道でこの地に参りました。震災以来、6回ほど福島にきておりますが、常磐道を通ったのは初めてでございます。これほど交通量が多いとは思っておりませんでした。これからも、交通量はどんどん増えていくでしょう。そして、少しずつではありますが、帰還していただける方々も増えてくると思いますし、また、その個々のために我々も政府を挙げて取り組んでいかなければなりません。
そのためにも、皆様方の取組みが重要であります。今後ともこの双葉地域において、皆様方がしっかり活躍されることをお願い申し上げまして、挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。
被災地視察の1コマです。J-Villageの様子をご覧になられました。駐車場になっている場所には、緑が生い茂るサッカーコートがありました。
楢葉町の天神岬スポーツ公園展望デッキから、津波被害地区を視察されました。消防長から被災当時の様子と震災前との景観の違いを説明され、感慨深い表情をされておりました。
楢葉遠隔技術開発センター(モックアップ施設)視察の様子です。東京電力福島第一原子力発電所の原子炉の廃炉をシミュレーションする施設であり、廃炉に向けた施設や機械を入念に確認しておられました。
原子力災害対応資器材を視察されました。消防課長の説明のもと、実際に手に取られ確認されておりました。
消防庁長官からの激励のお言葉は、職員1人1人の士気向上につながり、組織を支え向上させる原動力となります。双葉地方の復旧復興の一助となるため、これからも昼夜を問わず災害に挑みます。ありがとうございました。