2022年 8月16日(火)
令和4年8月9日(火)に浪江町にて令和4年度山岳救助訓練が実施されました。
山岳地帯での119番通報は、携帯電話のGPSを頼りに場所を把握しますが、明確な場所を特定する事が困難であることから、捜索活動から開始いたします。
双葉消防本部には、2基の小型無人航空機(通称「ドローン」)が配備されており、操縦資格を有した職員が、地上から進出する救助隊に先行し、上空から要救助者の捜索と発見後の位置情報を各隊員へ提供致します。
担架・ロープなどを携行した救助隊が入山後、先行して捜索していたドローンが、木々の間から手を振る要救助者を発見し、活動隊に情報提供する。
救助隊はその情報を元に現場へ向かい、要救助者を発見し、近くの立木などを使い救助活動を開始しました。
崖下に降下した救助隊が、2名の要救助者に接触し、容体を観察します。
重傷の要救助者は、それ以上容体が悪化しないよう、頭から足までを固定する全脊柱固定処置を実施し、重傷者から救出を開始します。
救助隊は、障害物を避けたり、声をかけて要救助者の不安を取り除くため、担架に付き添って地上へ引き揚げます。
山岳地帯での救助活動は、消防車や救急車が近くまで行くことができないため、たくさんの資器材を持って行かなくてはならず、救出や搬送に時間がかかります。
そのため、福島空港に隣接する消防防災航空センターに駐機している、福島県消防防災航空隊を要請し、空からの救出と迅速な医療機関への搬送を実施致します。
消防防災ヘリで出動してきた航空隊員は、ホイストケーブル装置を使用し地上へ降下します。
救助隊が救出した要救助者の容体を確認し、防災ヘリへの救出方法を選択します。
航空隊員は、要救助者の容体にあわせた資器材を選択し、装着後、ヘリへ救出します。
救出の際は、降下してきた航空隊員2名で確実に安全を確認してから、上空へ救出します。
要救助者を救出した消防防災ヘリは、直接病院へ向かうか、近くのグラウンドなどで要救助者を救急車へ引き継ぎます。
今回の訓練では、福島ロボットテストフィールド浪江滑走路へ着陸し、救急車へ要救助者を引き継ぎました。
消防防災ヘリで1度に救出できる人数が決まっているため、もう1名の要救助者は、救助隊が人力で消防車両のある位置まで搬送します。
取っ手を持っての搬送では、安全に長距離搬送をする事が困難なため、ロープを設定し肩にかけて搬送を開始します。
登山道は狭く足場も悪いため、救助隊はお互いに声を掛け合いながら安全に要救助者を搬送します。
消防士の活動は、同じ現場は一つも無く、環境が変われば大きな負荷となってきます。そのため、日頃から消防署での訓練と外部での訓練を実施しています。
災害現場で安全に活動が出来るよう、今後とも消防署の訓練に、ご理解とご協力をお願いいたします。